現代小説

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だから門脇君は、ずっと私のそばにいる⑤

箒男子たちが掃除中にふざけて、部室棟の屋根へ箒を投げた。 それがトタン屋根に引っかかり、落ちてこなくなってしまった。数人で何とか取ろうと試みていたが、どう頑張っても届かない。「稜太、肩車してくれ!」 「マジかよ川崎、お前何キロだよ……いける...
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だから門脇君は、ずっと私のそばにいる④

ひったくりちょうど郵便局の前を通りかかったときだった。出口から出てきたお婆さんの手から、若い男が鞄をひったくった。それは、私たちのほんの五メートル先で起こった、一瞬の出来事だった。門脇くんは、それを見た瞬間に迷いなく飛び出した。私は目の前で...
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だから門脇君は、ずっと私のそばにいる③

門脇稜太「おお! 女子の体育! 麗美ちゃんいる?」トラックを走る女子をぼんやり眺めていたら、佐々木健(ささきけん)が横から声をかけてきた。 健は俺の友人で、いい奴だが少しお調子者だ。クラスで一番可愛いと噂されている櫻井麗美(さくらいれみ)に...
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だから門脇君は、ずっと私のそばにいる②

下校なぜか佐々木くんと門脇くんも一緒に帰ることになり、私たちは校門まで三人で歩いていった。 ……正直、気まずい。 ほぼ初めてと言っていい組み合わせだからか、会話もなく、ただ無言で歩くばかり。沈黙が肌にまとわりつくようで、落ち着かない。何か話...
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だから門脇君は、ずっと私のそばにいる①

夏が始まる『日本で一番暑いまち』として知られる埼玉県熊谷市に、私――伊藤明里(いとうあかり)は暮らしている。 百貨店前に設置された大温度計が、国内観測史上最高の41.1度を記録したのは、まだ記憶に新しい。うだるような暑さの中、隣の席の山田さ...
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京都、百万遍リセット⑩最終章

「……っ」声にならない息が、喉から漏れた。目の前にいたのは、間違いなく詩織だった。逃げられると思った。いや、逃がさないつもりだった。俺は反射的に手を伸ばし、彼女の手首を掴む。力は入れていない。それでも、離す気はなかった。詩織の身体が、ほんの...
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京都、百万遍リセット⑨

玄関のドアが閉まった瞬間、私は一度だけ深く息を吸った。胸いっぱいに入ってきた空気は、驚くほど軽い。――静か。亮のマンションに通っていた頃、こんな静けさを意識したことはなかった。足音、テレビの音、酔った声。常に誰かの気配に神経を張りつめていて...
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京都、百万遍リセット⑧

恋愛短編小説です。隙間時間にサクッと読める、スカッと系の話。傷ついたヒロインが立ち上がり、静かに、あるいは鮮やかに逆転していく物語を綴っています。
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京都、百万遍リセット⑦

恋愛短編小説です。隙間時間にサクッと読める、スカッと系の話。傷ついたヒロインが立ち上がり、静かに、あるいは鮮やかに逆転していく物語を綴っています。
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京都、百万遍リセット⑥

恋愛短編小説です。隙間時間にサクッと読める、スカッと系の話。傷ついたヒロインが立ち上がり、静かに、あるいは鮮やかに逆転していく物語を綴っています。