おてんば 松尾

◆ だから門脇君は、ずっと私のそばにいる

だから門脇君は、ずっと私のそばにいる③

ひったくりちょうど郵便局の前を通りかかったときだった。出口から出てきたお婆さんが持っていた鞄を、若い男がひったくった。それは、私たちの5メートルほど先で起こった、ほんの一瞬の間の出来事だった。門脇君はそれを見るや否や、迷うことなく男めがけて...
◆ だから門脇君は、ずっと私のそばにいる

だから門脇君は、ずっと私のそばにいる②

下校「おお! 女子の体育! 麗美ちゃんいる?」体育の授業でトラックを走る女子を眺めていたら、佐々木健(ささきけん)が話しかけてきた。 健は俺の友人で、いい奴だが少しお調子者なところがある。 クラスで一番可愛いと噂されている櫻井麗美(さくらい...
◆ だから門脇君は、ずっと私のそばにいる

だから門脇君は、ずっと私のそばにいる①

夏が始まる『日本で一番暑いまち』として知られる埼玉県熊谷市に、私、伊藤明里(いとうあかり)は住んでいる。百貨店前に設置された大温度計が、国内観測史上最高の41.1度を記録した。 うだるような暑さの中、隣の席の山田さんが下敷きで首筋を扇ぎなが...
◆ 京都、百万遍リセット

京都、百万遍リセット⑩最終章

「急にいなくなるし、連絡も取れないし……説明くらいあってもよかったんじゃないか?」関係のない人という認識しかない。彼はまだ、自分が説明を受ける立場だと思っている。「ここでする話じゃないわ」「でも、五年だぞ。俺たち。あんな終わり方、納得できる...
◆ 京都、百万遍リセット

京都、百万遍リセット⑨

玄関のドアが閉まった瞬間、私は一度だけ深く息を吸った。胸いっぱいに吸い込んだ空気は、驚くほど軽い。静かだ。亮のマンションに通っていた頃、こんな静けさを意識したことはなかった。足音、テレビの音、酔った声。常に彼の気配に神経を張りつめていて、そ...
◆ 京都、百万遍リセット

京都、百万遍リセット⑧

恋愛短編小説です。隙間時間にサクッと読める、スカッと系の話。傷ついたヒロインが立ち上がり、静かに、あるいは鮮やかに逆転していく物語を綴っています。
◆ 京都、百万遍リセット

京都、百万遍リセット⑦

恋愛短編小説です。隙間時間にサクッと読める、スカッと系の話。傷ついたヒロインが立ち上がり、静かに、あるいは鮮やかに逆転していく物語を綴っています。
◆ 京都、百万遍リセット

京都、百万遍リセット⑥

恋愛短編小説です。隙間時間にサクッと読める、スカッと系の話。傷ついたヒロインが立ち上がり、静かに、あるいは鮮やかに逆転していく物語を綴っています。
◆ 京都、百万遍リセット

京都、百万遍リセット⑤

恋愛短編小説です。隙間時間にサクッと読める、スカッと系の話。傷ついたヒロインが立ち上がり、静かに、あるいは鮮やかに逆転していく物語を綴っています。
◆ 京都、百万遍リセット

京都、百万遍リセット④

「……彼への愛など、いりません」そう言った途端、私の額に触れる桂さんの指先がじんわりと熱を帯びた。店内の空気はふっと静まり、まるで時間さえもが息をひそめたかのようだ。揺れる明かりの下で、気配が一段と重く沈み込む。桂さんは、低く静かな声でささ...